(前回の講義)

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さて、いよいよ『普勧坐禅儀』のメインパートに入っていきます。


ここから、具体的な坐禅のやり方の説明が始まります。


普通の坐禅会だとここに書いてあることをざっと説明するだけですぐ坐らせたりしますし、坐禅の手引書なども、多くはここに書いていることを図解してわかりやすくしているものがほとんどです。


しかし、忘れてならないのは、これ以前に「道本円通」から始まる坐禅の前提についての教えがあったということです。


修行というと何をやるかという「やり方」の問題だと思われがちですが、もっと大事なのは「あり方」の問題なのです。


修行に取り組む態度や方向性のことです。


そういう原点に常に立ち返り続けないと、道元が坐禅ではないと言っている「習禅」にいつのまにか変質することになりかねません。


 


今回は「夫れ参禅は静室(じょうしつ)宜しく、飲食(おんじき)節あり」のところについてお話しします。これは、まだ坐禅そのものについての話ではなく、坐禅をする場所、坐禅に臨む時の体調管理のことについてのお示しです。坐禅をする環境は坐禅に相応したものではなくてはなりません。坐禅を応援してくれるような場所で坐ることが大事ですから、自宅でも、静かさだけでなく明るさや温度、湿度なども含めて、坐禅をする気になるような環境を整えてください。総持寺を創建した瑩山さんの『坐禅用心記』にはもっと詳しく「坐禅せんと欲せば、先ず静処宜しく、茵褥は須く厚く敷くべし、風煙をして入らしむること勿れ、雨露をして侵さしむること勿れ。膝を容るるの地を護持し、打坐の処を清潔にせよ。昔人、金剛座に坐し、盤石の上に坐するの蹤跡有りと雖も、亦、坐物有らざる無し。坐処は当応に昼は明らかならず、夜は暗からず。冬暖夏冷、是、其の術なり。」と書いてあるので参考にしてください。




空腹感や満腹感、喉の渇きなどは余計な刺激になり、坐禅の邪魔になりますから、飲食は適度に取り、胃の存在を忘れるくらいが望ましいのです。


要は、坐禅を乱すような要因がなるべく少なくなるように内外の諸条件をなるべく整えておくということです。