(前回の講義)

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今回は、「諸縁を放捨し、万事を休息して、」という箇所について話します。

ここはまだ坐禅を実際にやる前の注意です。

坐禅する前の段取りというものがとても大事なんですね。


達磨大師に教えを請いに来た慧可が入門を許された時、達磨が説いた教えは「なんじただ、外、諸縁を息(やす)め、内、心あえぐことなく、心、牆壁(しょうへき)のごとくにして、もって道に入るべし」でした。慧可はこの教えに従って長い間修行を続け、ついに「弟子このたびはじめて諸縁を息めたり」と師に告げられるまでになったと言われています。

「諸縁放捨、万事休息」というのは、この達磨と慧可のやりとりに淵源を持った句だと言えるでしょう。


諸縁というのは生活上のいろいろな雑用、万事はよろずの世俗の心配事のことです。

坐禅の中に気かかるようなことを持ち込まないという用心です。

要するに、坐禅を乱すような雑用や心配事がなるべく少なくなるように普段の生活を整えておけよということ。

こういう努力工夫によって、坐禅が生活全体を整えてくれるということが自ずと起こります。

そうは言っても、諸縁や万事をゼロにするのは実際は至難のことですから、坐禅はそういう雑用や心配事をなんとかするためにやるのではなく、そういう肩に担いでいる荷物を一旦下に置くことなんだということを肝に銘じて、気を入れて、放捨し、休息する努力をしなければなりません。